昨年末の事です。
私の実家に若い男性が屋根の点検をさせて欲しいと訊ねてきました。
最初に対応した私の母は、自分は判断出来ないといということで、向側の会社にいた私を呼びに来ました。
見るからにとび職の格好をしたその若者が言うには、
「あのマンションで防水工事をやっている者ですが、偶然お宅の家を見たウチの親方が『あの家は瓦が少しずれているので手直ししてやってこい』というのでお伺いしました。お金はいりません。」
とすぐ近くのマンションを指さして言うのです。
さらに、屋根の少しカーブしている部分や浮いたようにも見える方を指さして、「雨風が強いとそこから雨漏りするかもしれないので上がって見せてもらっても良いですか?」というのだ。
あまりに熱心なので、無料点検というのを念を押して上がってもらいました。
数分後、降りてきた彼は、デジタルカメラを取り出し、これまでの工事実績を見せながら、
「お宅は数ヵ所修理する必要があります。」
「もし今日作業させて頂ければ3万円でけっこうです。」
当然売り込みが入ると警戒してしまうものです。
「今日ではなく別の日に行うならば」との問いに
「倍くらいの料金になります。」と彼。
点検してもらったことは有り難いのですが、
「手順として、まず工事説明書類と見積書を頂き、その親方さんとお話ししてからでないと発注出来ません。もし発注することが有れば連絡したい。」と私。
名刺(所在は福岡)を受取り、いったんその日は帰ってもらいました。
その翌日の事。
地方紙に全く私と同じような体験をされた方の話が載っていました。
その方の場合、若い職人が帰っていく後を追いかけて見ていると、マンションの方に戻らず路上に止めてあったワゴン車に乗り込んで去っていったとのこと。
どうも、同じ営業トークでマンション(もちろん防水工事は作り話)の周辺にある家(とくに老人対象か?)に飛び込み訪問させているらしい。
たぶん一度注文した場合、最初の3万円で済むはずはなく、屋根全体工事を勧められウン十万円となるのだろう。
私自身、一瞬でも親切な職人さんなのかと思った位ですから、特に親切にされることに弱い高齢者なら騙されかねないでしょうね。
ただ、そんな人の心の隙を突いてくる営業シナリオを誰が考え、指導しているのだろうか。
そんな意味では非常に興味深い体験でした。
教訓:得する話ほど即答即決はやめよう。